Brand Network INCEPT

ブランド社会

ブランド最前線

「現在の日本社会を一言で表現すると？」ビジネスマンにこう質問すれば、「ブランド社会」という答えはかなり多く返ってくるのではないのでしょうか。
でもそれは、金ピカ成金趣味の社会という意味ではなく、ブランドが実用的なコミュニケーションツールとして認知され定着してきた社会という意味合いが強い、と思うのです。
価値観が細分化し、今や一人一人の欲求に合わせた個人別マケーティングを導入しなければならない時代です。実際その様なビジネス構造を構築して大成功している企業もあります。
又、深刻なバブル不況が個人の購買時の判断基準に強く影響して、冒険を避けて慎重に納得できるものだけを選択するようになってきています。
一方、インターネットを中心とする生活の情報化は一段と加速され、情報発信と受信の関係はますます直接的になっていきます。自分が求めているものをより正確にすばやく探し出せるようになってきているのです。
並大抵ではなく存在感や特徴のある上質なものにとっては有利な環境、と言えます。つまりブランドを育てる意味と使用する価値のある環境ということです。しかも、社会の変化に対応してブランドそのものも変化して応用範囲を広げてきています。高級品の代名詞から、もっと身近な米・野菜の類や部品・サービス等への展開です。
ただ、今は変化の途中です。今後どのような道を辿り、どこへ向かって行くのか定かではありません。でも、そういう時期だからこそブランド観察をしていると逆に社会の様々な変化の様相が見えてきます。
このエッセイでは、日々のニュースの中からシンボリックな材料を選び、その隠された意味を探っていきたいと思います。

ブランドネットワーク　インセプト
マネージャー　渋谷　清

目次へ

次へ >